【高校生の海外研修が変わる!】“探究学習×海外”で生徒が変わる理由とは?
「高校生の海外研修」がいま見直されている背景
かつて「海外研修」といえば、語学力の向上や異文化理解が主目的とされてきました。
生徒は観光地を巡り、ホームステイを体験し、英語を話す——そのようなプログラムは確かに貴重な経験ではありました。
しかし、教育現場が求めるものは時代とともに大きく変わりつつあります。
探究学習の必修化、グローバル・コンピテンシーの育成、多様性への対応力など、いま生徒たちに必要とされている力は、「体験を通して、自ら考え、問いを立て、他者と対話しながら答えを創り出す力」です。
つまり、ただ「見る・聞く」だけの研修では、これからの社会を生きる力を育むには不十分なのです。
なぜ従来の海外研修では、教育効果が十分に得られないのか?
1. 受け身の体験に終始してしまう――生徒の主体性を引き出せない構造
多くの高校で実施されている海外研修では、あらかじめ決められた見学先を巡るツアー形式が一般的です。現地の説明を聞き、施設を回り、文化に触れる——こうした経験ももちろん貴重ですが、そこに“自ら問いを立てる”余白はほとんどありません。
特に高校生にとっては、「なぜこの課題に向き合うのか」「自分には何ができるのか」を考える機会こそが、探究的な学びの出発点です。
しかし、従来の形式ではそうした主体性が発揮される場面が限られており、“連れて行かれるだけの海外研修”に終わってしまうのです。
2. 「楽しかった」で終わる体験――学びの深化が起きないまま帰国する
現地での交流やフィールドワークを経て、生徒からは「感動した」「刺激を受けた」といった感想が多く寄せられます。
しかし、それらの感情をどう解釈し、自分の価値観に取り入れ、行動に変えていくか——そうした振り返りのプロセスがない限り、経験は単なる“思い出”で終わります。
本来、海外研修はただの文化体験や語学実習ではなく、「社会課題に触れ、自分の意見を持ち、行動するための原体験」であるべきです。そこまで到達するには、感情の整理と価値の言語化を丁寧に支援する仕組みが必要です。
3. 学びが“点”で終わる――研修が教育活動とつながらない
最も見落とされがちなのが、事前学習と事後の振り返りの不在です。多くの海外研修では、出発前に軽いオリエンテーションを行い、帰国後にはレポートや発表会を形式的に済ませて終わってしまう——そうしたケースが多く見られます。
しかし、真に意味ある学びにするためには、研修を「点」ではなく「線」や「面」として設計することが不可欠です。
例えば、研修前に自分の関心や問いを明確にし、現地では仮説をもとに行動し、帰国後はその経験を他者に発信しながら再構築する——この探究サイクルを回すことで、初めて海外での学びは“自分の人生に影響を与える経験”へと昇華されます。
このように、これまで一般的だった高校の海外研修では、「構造」「問い」「内省」の不足が、教育的な価値を損なってきました。
これからの時代には、主体的に課題を見つけ、探究し、発信する力を育てる“学びとしての海外研修”が必要とされています。
どんな高校向け海外研修プログラムが選ばれているのか?
いま、高校の現場で選ばれている海外研修の多くは、「語学を学ぶ」「観光地を回る」だけではなく、社会課題に触れ、生徒自身が“問い”を持って取り組むスタイルに進化しています。
たとえば、弊社タイガーモブではこんな研修が人気です。
- 中東・ドバイで未来都市とテクノロジーの在り方を探究するプログラム
- ニュージーランドでマオリ文化と環境共生を体感するフィールドワーク
- インドやバングラデシュで、スラムや社会起業の現場に入って自分で課題を見つける研修
- フィンランドの公教育・福祉をテーマに「どう生きるか」を考える探究旅行
どのプログラムも、生徒が「自分で問いを立て、現地で行動し、言語化して発信する」ことを中心に設計されています。
対象学年も中学3年~高校3年まで幅広く、修学旅行として全員参加型にする学校や、希望制・選抜制で少人数で実施する自治体も増えています。
高校で海外研修を導入する5つの教育的メリット
探究型の海外研修は、ただの“非日常体験”ではありません。生徒の学びを深め、教育全体に変化をもたらす「学校改革の起点」になり得ます。ここでは、教育現場で実感されている5つの具体的なメリットを紹介します。
1. 生徒の主体性と探究力が育つ
これまで「与えられた課題」に慣れてきた生徒たちが、海外の現場では初めて「何を問うか」「どう動くか」を自ら決めなければなりません。
たとえば、インドのスラムで「なぜこの状況が続いているのか?」と問いを立てた生徒が、現地のNGOに聞き取りを行い、自分なりの解決策を模索する——そんなプロセスを通じて、「自分が行動の出発点になる」感覚が芽生えます。
探究学習の本質である「問い→仮説→実行→振り返り→再挑戦」のサイクルが、現実世界の中で回り始めるのです。
2. 共感力やチームワークなど、非認知能力が育つ
異なる文化、異なる価値観、異なる言語を持つ人たちと向き合うことで、生徒たちは“正解のない対話”に挑むことになります。
特に、他校との合同研修では「初対面の他者とどう協力するか」「意見がぶつかったときどう乗り越えるか」が重要なテーマになります。ワークショップや対話セッションでは、互いの価値観に耳を傾けながら、目標を共有していく過程が丁寧に設計されています。
これにより、共感力・傾聴力・協働性といった**非認知能力(21世紀型スキル)**が自然と育まれます。
3. “英語力以上の伝える力”を身につける
「英語が話せないから不安」と口にする生徒も、現地では“伝えなければ何も始まらない”状況に直面します。
語彙が足りなくても、身振り手振り、表情、熱意で必死に想いを伝える。すると、相手も心を開いてくれる——その成功体験が、自信と“伝える力”を大きく伸ばします。
また、現地の人との会話だけでなく、帰国後に行うプレゼンや報告会も重要な場です。研修で得た経験をどう整理し、どう言語化して伝えるかというプロセスが、「聞き手を意識した発信力」へとつながっていきます。
4. 社会課題に対する視野と当事者意識が生まれる
どんなに精緻な資料よりも、現地の“におい”や“空気”を感じることに勝る学びはありません。
ゴミ山の中で暮らす子どもたち、貧困層向けに教育を届けるNPO、ジェンダー差別と戦う女性起業家——彼らと直接対話し、その場に立つことで、「この社会の一員として、何ができるか?」という問いが生まれます。
それは「知っている」から「関わりたい」への転換であり、生徒が市民としての責任や社会参画の意欲を持つきっかけになります。
5. 進路意識やキャリア観が明確になる
「この経験が、将来やりたいことを見つけるヒントになった」
「初めて“何のために学ぶのか”がわかった」
こう語る生徒は、研修後に急増します。
例えば、バリ島で環境問題に関心を持った生徒が、帰国後にエコ関連の学生団体を立ち上げたり、フィンランドで教育の在り方に衝撃を受けた生徒が、教師を志すようになるケースもあります。
探究型の海外研修は、“好きなこと”や“得意なこと”を見つけるだけでなく、**社会と自分をつなぐ「軸」**を発見する機会でもあるのです。
このように、海外研修は「学年行事」や「語学の延長線」ではなく、総合学習・キャリア教育・進路指導・人間教育を一体化した実践の場になります。だからこそ、今、全国の高校で「探究型の海外研修」が注目されているのです。
探究的な海外研修を実現する、タイガーモブの“3ステップ構造”
タイガーモブの海外研修プログラムは、ただの「体験」では終わらせません。
その根幹には、**Team Building(関係構築)→ Theme Action(課題探究・実践)→ Reflection(振り返りと言語化)**という、教育的に設計された3つのステップがあります。
これはまさに、「探究学習」の本質を、海外という“リアルな社会”の中で展開する仕組みです。
1. Team Building(他者との接点を通じた協働の土台づくり)
研修の初期段階で行われるこのフェーズでは、異なる学校・文化・価値観を持つ仲間との信頼関係を構築します。
たとえば、自己開示と他者理解を促すワークを通して、「安心して本音を言える場」がつくられていきます。
このプロセスがあることで、参加者は「誰と学ぶか」を明確にし、後の探究活動においてもチームとしての創造性や共感力を発揮しやすくなります。
✅ 教育的意義:自己認識・他者理解・社会性・非認知能力(協働性・共感力)の土台形成
✅ 補足:高校生 海外研修における人間関係形成の質が、研修全体の学びを左右する
2. Theme Action(社会との接点を通じた課題探究と実践)
このフェーズでは、生徒たちは現地の課題に対し、自ら問いを立て、仮説を持ち、行動します。たとえば、インドのスラムで貧困問題に向き合う、生物多様性を守る現場を訪れる、バリ島でごみ問題を議論する——といったテーマです。
単なる「見学」ではなく、事前にインプットした知識や視点をもとに観察し、判断し、実際にアクションを起こすサイクルを経験します。
また、「見えないこと(知らない・見たくない)」に気づくための足場がけ(観点の提示、問いの設計など)を通じて、生徒たちは“自分で考えて動ける”状態へと変化していきます。
✅ 教育的意義:思考力・課題解決力・情報活用能力・仮説検証力・社会参画意識の育成
✅ 補足:高校の海外研修で本質的な学びを引き出すためには、社会課題と向き合う設計が必要
3. Reflection(内面との接点を通じた内省と言語化)
研修の中核をなすのがこの“振り返り”フェーズです。日々の活動をただ記録するのではなく、「なぜそう考えたか?」「どんな価値観が揺らいだか?」という本質的な問いを通じて、自分自身の内面に向き合います。
ここでのアウトプットは、単なる“感想文”ではなく、価値基準・強み・やりたいことといった“自分軸”の言語化です。
例えば、バングラデシュで革製品工場の社会課題を体感した生徒が、自らの“消費者としての責任”に気づき、帰国後に発信活動を始めるなど、「生き方・進路」と接続する生徒も多くいます。
✅ 教育的意義:メタ認知力・自己効力感・キャリア意識の醸成・学習の定着
✅ 補足:高校の海外研修での最大の価値は“内省を通じた自己の更新”にある
この3ステップは、単なる体験学習にとどまらず、「探究する力」を育てる仕組みとして設計されています。タイガーモブの高校生向け海外研修は、探究学習を海外というダイナミックな舞台で実践できる、数少ないプログラムです。
事例紹介:3つの現場から見える探究のチカラ
① 5校合同:インド&バリ島(2024年実施)
- 参加校:関東・関西から中高5校が合同参加
- インド:スラム街訪問など貧困・経済格差をテーマに実地調査
- バリ島:水・ゴミ・農業など環境課題をフィールドワーク
- 成果:生徒がゴミ箱設置を提案・実施、現地での態度変容が鮮明に。 教師からも「英語が苦手でも自らインタビューし、涙を流すほど仲間と帰国時に強いつながりができた」と評価された 。

② ドルトン東京学園・アジア研修(2025年1月23日)
- 対象:高校1年生、全員参加型のアジア修学旅行
- プログラム:事前研修→現地:挑戦的な課題/事後:エキスポ発表まで1年間継続
- 成果:17のコンピテンシーで成長が数値化され、『共感・傾聴』など全員が著しく伸長 。 また事後調査では、「失敗から学ぶ力」が成長のカギになったと分析されています。

③ 直方市教育委員会/フィンランド研修(2024年8月)
- 対象:直方市中学8名+教育委員同行
- テーマ:アントレプレナーシップ教育、福祉・自然・学校授業の実践
- 成果:帰国時には生徒の表情が変わり、自信をつけた発表が可能に。 保護者、行政、教育現場からも高い評価を得る

他社の語学研修・旅行型との違いとは?
「海外研修」と一口に言っても、内容は千差万別です。従来型の語学研修や観光型プログラムと、タイガーモブが提供する探究型海外研修には、明確な違いがあります。
まず、目的の違い。多くの研修が“英語を話すこと”や“異文化に触れること”を主軸にしているのに対し、タイガーモブの研修は、社会課題と向き合い、生徒が自ら動くことが出発点です。
体験の深さも異なります。観光地を見学するだけでは、驚きや楽しさはあっても「なぜ?どうすれば?」という問いは生まれません。一方、スラム街を歩き、現地の人と対話し、自分で仮説を立てて行動する経験は、思考と感情を動かします。
また、生徒の役割も違います。旅行型では「参加者」だった生徒が、探究型では「問いを立て、社会に働きかける当事者」になります。その結果、研修後の表情や言葉がまるで変わるのです。
「海外研修でこんなに生徒が変わるとは思わなかった」と話す教員の声は少なくありません。“体験”を“変容”へと導く教育的デザインこそ、探究型海外研修の最大の特長なのです。
まとめ:高校海外研修を“生徒の変革の場”にするために
単なる「海外旅行」ではなく、**価値ある探究学習の機会としての“海外研修”**をデザインすることは、学校全体の教育改革につながります。タイガーモブが提供する研修は、Team Building・Theme Action・Reflectionの3本柱で構成されており、主体性・思考力・共感力などの資質が研修後も継続して伸びていく支援が可能です。
次年度、貴校の海外研修を“未来を創る学びの場”へ、タイガーモブと共にアップデートしませんか?
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